日本における看護文献提供環境の改善に関する検討会

主催:千葉大学看護学部・千葉大学附属図書館
日時:平成18年11月30日(木)午後1時〜午後5時
場所:千葉大学看護学部第2講義室
(〒260-8672千葉市中央区亥鼻1-8-1)


<趣旨>

 本検討会の目的は、看護研究・教育および質の高い看護実践を可能にするために必要不可欠な看護研究文献の整備においてわが国で生じている問題について、最近の研究によってもたらされた知見をふまえ、看護研究者、実務者、図書館関係者などの関係者間でこの問題についての認識を共有し、改善のための方策を検討することにある。

 大学における学術情報基盤は、特に大学図書館においては2002年度以降の電子ジャーナルの大規模な導入によって著しく改善されており、2006年度には国立大学において利用可能な電子ジャーナルタイトル数は平均6000タイトルを超えるまでになった。このように各大学で利用可能な外国雑誌が増加することによって、研究者の文献需要を満たす上で大きな役割を果たしてきた図書館相互貸借(ILL)における洋雑誌に対するリクエストの数は大きく減少することになった。その一方で和雑誌に対するリクエストは全国規模で見た場合年々高まっており、国立情報学研究所が提供するILLのためのコミュニケーションシステム(NACSIS-ILL)においては、2005年度にはリクエストにおける和洋の比率が逆転するまでになった。

このような和雑誌のリクエストを詳細に分析すると、リクエストの上位を占める雑誌のほとんどが看護分野あるいはその関連領域のものであることがわかった。そのように看護文献に対するリクエストが増大する要因としては、近年の看護学部、大学院の増加に伴う看護研究人口の増加、看護研究の活性化などを推測することができるが、いずれにしてもILL需要の多さは看護研究・看護職養成を支えるはずの各大学図書館における看護文献コレクションが不十分であり、他の分野と比較した場合に研究・教育基盤が脆弱であることを示していると思われる。

 本検討会では、このような状況についての詳細なデータを示した上で、看護研究・教育と文献需要の特性等について検討し、看護研究・教育基盤の強化のための効果的な方策について、関係者間で意見を交換することを計画している。


<プログラム>

13:00-13:15開会、挨拶
13:15-13:45NACSIS-ILLデータからみるわが国の高等教育における看護等関連文献整備の状況
(土屋俊 千葉大学文学部教授/附属図書館長)
13:45-14:15看護学教育の最近の動向と今後の展望
(石垣和子千葉大学看護学部長)
14:15-14:45日本看護図書館協会加盟館における看護文献整備と需要の動向
(今田敬子 上武大学看護学部教授)
14:45-15:15病院図書館における看護文献整備と需要の動向
(奥出麻里川鉄千葉病院図書室)
15:15-15:30休憩
15:30-17:00討議